設立主旨(2002年4 月20日)



 日本未来研究センター は、これまで未来研究活動を実践してきた2つのグループ (緑の地球ネットワーク大学グループと近未来研究グループ)によって結成され ました。緑の地球ネットワーク大学グループは、世界未来研究学会 (World Futures Studies Federation) および世界未来協会 (World Futures Society) のメンバーを中心としたカデミックグループで、 1993 年から1999 年まで、淡路島で毎年夏に未来志向複雑系適応研究 (FOCAS) セミナーを開催してきました 
(http://muratopia.org/NUGW/参照)。

 このセミ ナーの成果を収めた英文研究書の出版 で、 同セミナーは日本での唯一の学術的未来研究の国際セミナーとして世界的に認知されてきました。 一方、近未来研究グループは、大阪市のなにわあきんど塾卒業の塾生有志が中心になって結成された研究会で、 未来志向のビジネスチャンスを作り出すことを目指した活動を活発に行ってきました。 特に、1994年に開催されたAPEC人材養成会議大阪フォーラムでは、なにわあきんど塾APEC委員会として中心的な 役割を果たしました。

 最近の日本を取り巻く経済・社会・自然環境は厳しいものがあります。こうした状況を作り出した原因の一つとして、日本には欧 米諸国にあるような未来志 向のビジョンづくり、およびそれをビジネス・自治体経営に生かす環境が欠如しているということがあげられます。経済成長か、 環境保全かといった二者択一的な議論はすでに陳腐化し、持続可能な未来の環境がなければ、未来のビジネスの発展はあり得ないという Eco-Economy 的な考え方に、世界の未来ビジョンはトレンドしつつあります (The Futurist, March-April 2002 参照)。明日の未来を創造するのは、今日の私たちの意思決定ですが、その約9割以上がビジネス・自治体による活動だといわれています。よって私たちは、日 々のビジネス・自治体の意思決定プロセスに持続可能な未来ビジョンが反映されなければ、明日の明るい日本、そして世界は創造 されないと確信し、そうした未 来創造のお手伝いが出来ればとの思いで、日本未来研究センターを設立しました。 

(2002年4月20日午後2-5時における設立総会、淡路島マリーン・ローズ ログハウス村にて)。